ファガジーダの謎(前編)

ヌスクマーペー 
ファガジーダから見るマーペー/Whatman SM(227×158)

 

沖縄県石垣市野底に地元でファガジーダと呼ばれている不思議な土地があります.

何が不思議かというと,伝説の山マーペーから流れてくるふたつの沢が交わりそうで交わらないでファガジーダを迂回してから合流するからです.

 

fagajida 
ファガジーダ


伝説の山マーペーからはじめしょう.
石垣島野底に標高282mの野底岳があります.
野底岳は,地元ではヌスクマーペーと呼ばれています.


マーペーとは,この地域に伝わる伝説のヒロインの名前です.

 
伝説では,「石垣島の南西にある黒島に生まれ育ったマーペーは,恋人を黒島に残し強制的に石垣島に移住させられました.
黒島では作物の生産が限られているため人頭税が払えず,人頭税の未納分は村民の共同責任となったからでした.
マーペーは,恋人のいる黒島を一目見ようと野底岳に登りましたが,標高525m於茂登(おもと)山が視界を遮り黒島は見えません.泣き崩れたマーペーは岩となってしまった」というものです.

この伝説は,明治36年まで約500年も沖縄人を苦しめた人頭税という非人道的制度1が背景になっています. 

1)          大浜信賢 著/「八重山の人頭税」/三一書房/1971


ヌスクマーペー2 
ヌスクマーペー


野底岳から流れるふたつの沢は,わずか数メートルの距離まで近づきながら,

そこでは交わらず再び左右に分かれて流れます.合流するはずの場所に大きな岩があるからです.


よく見ると岩にぶつかった地点の沢は淵となっていて,左右の沢の水位が違います.
どんなに日照りが続いてもここだけは沢の水が常にあるため,かつては,ここで飲み水を確保していたといいます.

一度左右に分かれた二つの沢は,今度こそ合流して西浜川となって海にそそいでいます.

本来ならば合流するはずの地点から実際に合流する地点までの二つの沢に挟まれた土地がファガジーダです.

ファガジーダという名前も地形的特徴も気なったので,八重山地方の教育機関に問い合わせたり図書館で調べたりしてみたが,ファガジーダの語源はわかりませんでした.

ファガジーダの謎を解くことになるかもしれない鍵は,翌年,ソウルで見つけることになります.

(つづきは来週の土曜日に)


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テーマ : 歴史
ジャンル : 学問・文化・芸術

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【児童書】ふたつの国の物語-土木のおはなし- 2014.3 理工図書// 何不自由なく暮らしていたシブの国にも悩みがありました。若者の土木離れです。そんな時アトの国からたくさんの若者がやってきて言いました。 「私たちに土木を手伝させてください」と。 これは大助かりです。ところが……。
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