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エコロジカル・プランニングの師匠 Ian L. McHarg

Ian+L+McHarg.jpg 

1981年ころ 授業中に描いたIan               Ian L. McHarg  19202001

古いスケッチブックを開いたらこんな悪戯描きがでてきました.

Ianのエコロジカル・プランニングの講義中に,よくもこんな大胆な絵を描いたものだと思います.クラスメイトが覗き込んで必死に笑いをこらえていたのを思い出しました.あのころは講義中にたばこを吸っていたのですね.銘柄はMarboroだったと思います.

左のワイシャツの裾にいつもハンカチを差しこんでいました.

Ianに出会っていなければ,おそらくランドスケープ・アーキテクトにはなっていなかったでしょう.それくらいカリスマ性のある先生でした.

Design with Natureを読んでも理解できなかったことが,Ianの講義を受けるとエコロジカル・プランニングの理念がよくわかりました.

「自然環境には違いがある.その違いは自然環境がどのようにして成り立ってきたのかを調べればわかる.ただし,いま見えている環境が本来の姿ではない.土地の持っている潜在能力をみなければならない.人は自然環境を利用させてもらうのだから,なるべくその土地に負荷をかけない土地利用をしなければならない.どのような土地利用にすべきかの半分は既にその土地の自然環境が示唆してくれている.それを踏まえて最適解をデザインするのがランドスケープ・アーキテクトだ.土地の潜在能力を無視した空間デザインはどれだけ出来上がった景観が優れたように見えても意味がない.人の勝手なデザインは許されない.Design with Natureとはそういうことだ」というような講義内容でした.

Design with Natureの理念を実際のプロジェクトに反映するのは大変でした.オーバーレイによる潜在能力の把握,土地利用計画のコンセプトの立案,コンセプトを具現化するエスキス,スケッチ,そして最後にプランを描きパネル化します.これを6週間で仕上げて発表します.コンセプト・コンセプトの展開・プレゼンテーションの3段階で評価されます.このあたりは雑誌「土木技術201010月号」に「土木技術者が環境をデザインする価値」といタイトルで寄稿しています.
デザインの結果ではなく,与えられた課題に対して,どのような解決策を立案し,それをどのように具現化し,伝えられるかが試されます.VisionConceptScenarioPresentationVCSPプロセスで展開します.
 VCSPプロセスは,「エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法」で解説しています.

 
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テーマ : 建築デザイン
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ランドスケープ・ドローイングの師匠 Sir Peter Shepheard

Sir Peter Shepheard 
Sir Peter Shepheard 先生19132002

1980年に Sir の称号を授与されたランドスケープ・アーキテクトであり建築家.

1981年から1983年まで,先生からランドスケープ・デザインとドローイングを習いました.

 

実は,当時デッサンがあまり好きではありませんでした.

日本で美大生だったころ,先生から「硬めの鉛筆の先を常に尖らせて描け」とか「線を重ねて面を作れ」と喧しく言われ続け,それまで好きだった絵を描くという行為が面白くなくなってしまったからでした.

 

Sir Peter先生の鉛筆デッサンは衝撃的でした.

 

先生は,6Bの芯を入れたカランダッシュのホルダーを握ると,いきなり紙にこすりつけました.力の入れ方で1本の鉛筆でグラデーションができました.さらに,ポケットから先を削ったワインのコルクを取り出し画用紙こすりつけると,簡単にぼかしができました.

僅か数分で樹林が浮かび上がりました.

マジックを見ているようでした.

shepheard_drawing.jpg 
Sir Peter先生のドローイング

Soichiro,自分が見たものを好きなように描けばいいんだよ」

「だって,君と私は同じ風景を見ているけれど,見えているものが違うでしょ」

「見えているものが違うから,君と私の描く絵は違うものになるのさ」

「見えているものは描けるが,見えていないものは絶対に描けない」

「君が感じたものを描けば,君の絵を見た人に君が感じたものが伝わる」

「いいかい,ランドスケープ・アーキテクトになるんだったら,人に伝わる絵を描かくことだ」

「絵は君が作りたい情報が詰まった設計図だ.君が描いた絵がそのとおりの風景になる.というより,絵のとおりの風景にならなきゃプロとはいえないね」

 

ランドスケープ・アーキテクトとして絵を描くことの意味がわかったような気がしました.

 

透明水彩を使ったドローイングもこのとき初めて体験しました.

 

Sir Peter先生は,透明水彩の実演をしてくれました.

透明水彩は,ウィンザー&ニュートン ハーフパン8色で小さな筆付き,色はランドスケープでよく使うものに置き換えてありました.画用紙はファブリアーノ粗目125×180だったと思います.水差しは蜂蜜か何かの蓋付きガラス瓶の空き瓶でした.

最低限最小の水彩セットです.

「これなら上着のポケットにすべて入るし,思い立った時いつでもすぐ描けるだろ」と先生はおっしゃいました.

画用紙を上下逆さまにして下半分に水を引いて青を置き,画用紙を少し下に傾けると青が下の方に移動しました.画用紙を回転させ元に戻すと,空のグラデーションができあがっていました.ティッシュペイパーでところどころ青を吸い取ると簡単に雲になりました.

今度は下半分に水を引きサップグリーンを置き.ところどころチャコールグレイをその上に置くと画用紙の上でふたつの色が混じりました.その混じった色を箒で履くように筆で寄せ集めると,うねる大地の牧草になりました.空と牧草が乾くのを待ってから,藍に近い緑で空と牧草の間で筆を上下に走らせ,また,チャコールグレイを重ねると樹林になりました.最後に茶色の点をいくつか落としら牛になりました.典型的なイングランドの田園風景が僅か20分程度で完成しました.

 

寮に帰って先生のまねをしてみましたが,何回描いても塗り絵になってしまいました.

透明水彩は奥が深いと思いました.


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tag : 透明水彩

イラストレーター木下真一郎さん

 treeのコピー 
 

10数年ぶりにある仕事でイラストレーターの木下真一郎さんに再会しました.

科学雑誌ニュートンなどのイラストで有名なイラストレーターです.

最新の作品集をいただきました.

「自分が好きな絵しか描かない」私と違って,どんな絵でも描けるところがすごい.

アーチストではなく有能な職人でありたい」とご自身が語っていらっしゃるあたりがプロフェッショナルたる所以でしょう.

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屋根より高い樹木のある坂道(2011年10月)

windermere  

Windermere, United Kingdom透明水彩/2005年/アルシュ粗目 31cm×41cm

ウィンダミアの中心市街からLake Roadを湖に向かって下って行く坂道の途中の風景です.

クロッキー帳に空間構成だけ鉛筆で描いて,帰国してから画用紙に描き直しました.

もしも,建物の背景の樹木がこれだけ大きくなかったら,いい風景にならなかったでしょう.


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tag : 透明水彩

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小川総一郎 / Soichiro Ogawa

Author:小川総一郎 / Soichiro Ogawa
エコロジカル・ランドスケープの世界へようこそ!

水彩画は,毎月第一土曜日に更新します。

小川総一郎の本/Publications by Soichiro
【児童書】ふたつの国の物語-土木のおはなし- 2014.3 理工図書// 何不自由なく暮らしていたシブの国にも悩みがありました。若者の土木離れです。そんな時アトの国からたくさんの若者がやってきて言いました。 「私たちに土木を手伝させてください」と。 これは大助かりです。ところが……。
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