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雨上がりの坂道(空間構成)

坂道の空間構成
道路左側に駐車している車あたりまで道路はほとんど平坦なので,

平坦部分の道路と建物のラインは赤丸印の消点に集まります.

 

上り坂の道路・歩道・街路灯・生垣のラインは緑色印の消点に集まります.

 

スケッチを描く上でこうした約束ごとを守るだけでしっかりした構図になります

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テーマ : デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エコロジカル・ランドスケープ

視距離と画像サイズ(下り坂の構図)

道路の4人 

前回の上り坂に対して下り坂の見え方を考えてみましょう.

20m地点までほぼ平坦で@20mから@40m地点にかけて2m下がると仮定すると次のような構図になります.


下り坂 

40m地点にいるCさんを2m下へ移動します.

観察者の目の高さを1.5mだとすると,2m下へ移動するCさんの目の位置は,@40m地点の青い点線(元のCさんの足元)よりも下になります.

40m地点の道幅を2m下へ移動します.

20mの道の端部と2m下降させた新しい@40m地点の端部を滑らかに結べば下り坂になります.

結果的にCさんの胸から下は@20m地点の道路の水平線に邪魔されて見えなくなります.



エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法

12035 目の高さを意識してスケッチを描く」参照
p085「24 地形を自由にコントロールする」参照

テーマ : デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エコロジカル・ランドスケープ

視距離と画像サイズ(上り坂の構図)

道路の4人  

まっすぐな幅4mの道に,視距離@10m,@20m,@40mの地点にAさん,Bさん,Cさんが立っているとすると,このように見えます.

4mの道幅はAさんの身長をもとに設定します.

道はどこまでも平坦で観察者の目の高さはAさんの目の高さとほぼ同じだとします.

青い点線が観察者の目の高さになります.

Bさんは観察者より少し背が低いと仮定しているので青い点線より下にBさんの目の位置が来ます.

画面上の見かけの大きさは視距離に反比例しますから,

20m地点のBさんは@10m地点のAさんの1/2の大きさに見えます.

40m地点のCさんは@10m地点のAさんの1/4の大きさに見えます.

 

もしこの道が上り坂だとしたらどのように見えるでしょうか.

20m地点までほぼ平坦で@20mから@40m地点にかけて2m上がると仮定すると
次のような構図になります.

上り坂 
40m地点にいるCさんを2m上へ移動します.

観察者の目の高さを1.5mだとすると,2m上へ移動するCさんの足元の位置は,青い点線の目の高さよりも上になります.

40m地点の道幅を2m上へ移動します.

道幅が4mだから道幅の半分の水平距離を90度回転させて垂直に移動した場所が@40mにおいて2m上昇した地点になります.

20mの道の端部と2m上昇させた新しい@40m地点の端部を滑らかに結べば上り坂になります.

エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法

12035 目の高さを意識してスケッチを描く」参照
p085「24 地形を自由にコントロールする」参照








テーマ : デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

視距離と画像サイズ(座った目の高さから)



腰の高さからみた構図
 

【座っている観察者が見る構図】

座っている観察者が見る構図を示します.
観察者の目の高さがAさんのベルトの位置あたりになります.

観察者の目の高さが違うと,絵の印象が大きく異なることが分かります.

立っている子供の目線から見得る構図も同じようになります.

 

観察者の目の高さがAさんのベルトの位置あたりだとすると,4人のベルトの位置が同じ水平線上になります.


視距離と画像サイズ 

【立っている観察者が見る構図】

 

ふたつの構図を比較すると違いよくわかります.

視対象の見かけ上の大きさが視距離に反比例する約束事は同じです.

エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法

12035 目の高さを意識してスケッチを描く」参照



テーマ : デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エコロジカル・ランドスケープ

視距離と画像サイズ

視距離と画像サイズ 

絵のなかの大きさと視距離には約束事があります.

 

視距離とは,観察者から対象物までの距離で,@●mと表示します.

 

平坦な場所に私と同じ背の高さの人が左右にあるいていると仮定します.

Aさんは私から視距離@5mのところを左から右に歩いているとします.

 

BさんはAさんの半分の大きさに見えるとしたら.

BさんはAさんの2倍の視距離@10mのところを右から左に歩いていることになります.

 

CさんはBさんのさらに半分の大きさで,Aさんの1/4の大きさに見えるとしたら.

CさんはAさんの1/4の大きさに見えるから,視距離は@5m×4=@20mとなります.

 

スケッチ上で対象物の大きさは視距離に反比例します.

視距離40m地点を歩いているDさんは,Aさんまでの視距離@5mの8倍(40m÷5m=8)の視距離がありますから,Dさんの紙面上での大きさはAさんの1/8になります.

 

この4人は,私と同じ背の高さと仮定していますから,4人の目の高さはすべて同じで足元の位置だけが変化します.

地面が平坦でなければ平坦だと仮定して人を描き,身長を目安に人を上下させます.

エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法

12035 目の高さを意識してスケッチを描く」参照

テーマ : デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エコロジカル・ランドスケープ

腰越漁港の空間構成

腰越漁港空間構成 

腰越漁港の空間構成の特徴は,3つの垂直ラインと4つの水平ラインがはっきりしていることです.

垂直ラインが手前から,マスト・赤い灯台・展望台と右・左・中央と視線を遠景に導いています.

水平ラインが漁船の後ろの防波堤・人と防波堤・赤い灯台と防波堤・水平線沿いの江の島に接続する道路橋と視線を遠景に導いています.

これで海水面がS字カーブとなり,遠近感が強調されます.

 

ランドスケープのデザインでもこうした23重の「囲み」をよく使います.

特に,特定の視点場から対象物を強調したいときに効果があります.



エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法 
p156「43 遠景・中景・近景の役割と考える」参照


テーマ : デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : エコロジカル・ランドスケープ

エコロジカル・ランドスケープとは

エコロジカル・ランドスケープの三要素 

エコロジカル・ランドスケープとは,「地域の潜在能力を活用して,その地域でなければ成しえない環境を保全・創出し,人を含めた生き物にとって健全な生態系を維持する」という考えです.

 

エコシステムとエンジニアリングとデザインを三要素としています.この三要素をひとりの技術者が同次元で解決することに価値があるとしています.

 

地域の潜在能力とは,ある土地利用目的に対する適地選定を考えるとわかりやすくなります.品質のいい米を少ない労力で生産するならばどのような地形や土壌がいいでしょうか.地震や災害によるリスクを少しでも減少させる住宅を建てるとしたらどのような地質がいいでしょうか.タヌキと本当に共存するコミュニティを作るとしたら,どのような開発をすればいいのでしょうか.一見,同じように見える土地でも,その土地がどのような変遷で成り立ってきたのかを調べると違いが見えてきます.この違いは何万年もかけて地球が作ってきた結果ですから,人が簡単に変えることはできません.人は環境を作れません.作れるのは環境の基盤くらいです.地域環境の潜在能力を知って,それを活用させてもらうことが賢い空間デザインになるのです.

 

エコシステムとは生態系のことで,健全な物質の循環を意味しています.流域単位での健全な水循環をイメージするといいでしょう.

エンジニアリングとは,人がエコシステムに手を加えても地域の生態系が維持できる技術のことだと思ってください.

デザインとは,地域の自然環境に人が造るものを調和させ,空間を洗練させることです.

 

私の知っているかぎり,この三要素を同次元で解決している事例は極めて稀です.

第一要素のエコシステムでは,環境調査で地域環境の骨格を支えているエッセンシャル・ゾーンを見出してそれを土地利用計画に反映することが理想ですが,現実には希少種にばかり注目が集まります.エッセンシャル・ゾーンを見出しても別次元で土地利用計画が進行している場合が多く調査結果が生かされないからでしょう.また,希少種の出現は法に触れる可能性が高く無視するわけにはいかないからです.希少種は,希少種そのもの保全ではなく,希少種の存在を支えているエコシステムの保全に価値があり,そのエコシステムを壊さないように開発計画を立てるのが本来の姿です.

第二要素のエンジニアリングでは,人の活動が生態系に与える影響を軽減させることが目的となります.下水道システムの高度処理を考えるとわかりやすいでしょう.雨水浸透施設や多自然型調整池も同じ目的となります.開発しても開発前の生態系を維持することが理想ですが,それができていないと機能だけが働く技術となってしまいます.フリーフレームやブロック張りの河川護岸がこれに相当します.これらは機能と生態系保全の両立を図るために今後の技術開発が期待される分野です.

第三要素のデザインでは,エコシステムとエンジニアリングをふまえて空間を洗練させます.地域のエコシステムを維持するためのさまざまな要求が環境調査から上がってきて,自然環境と人の双方の要求を満足させるためのエンジニアリングを駆使したとしても,それだけでは不十分です.人が美しいとか快適だと感じる空間は,生の自然環境ではないからです.人によってはワイルドに感じてしまいます.「毛虫は嫌いだけれど蝶は好き」「蜂は嫌いだけれど花は好き」というように人はかなりわがままなものです.毛虫が蝶になるのに,蜂が交配して花が実を結ぶにもかかわらずです.

空間を洗練するには設計者自身がスケッチを描くことで解決します.スケッチを描かないランドスケープ・アーキテクトはひとりもいません.

テーマ : 建築デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

エコロジカル・プランニングの師匠 Ian L. McHarg

Ian+L+McHarg.jpg 

1981年ころ 授業中に描いたIan               Ian L. McHarg  19202001

古いスケッチブックを開いたらこんな悪戯描きがでてきました.

Ianのエコロジカル・プランニングの講義中に,よくもこんな大胆な絵を描いたものだと思います.クラスメイトが覗き込んで必死に笑いをこらえていたのを思い出しました.あのころは講義中にたばこを吸っていたのですね.銘柄はMarboroだったと思います.

左のワイシャツの裾にいつもハンカチを差しこんでいました.

Ianに出会っていなければ,おそらくランドスケープ・アーキテクトにはなっていなかったでしょう.それくらいカリスマ性のある先生でした.

Design with Natureを読んでも理解できなかったことが,Ianの講義を受けるとエコロジカル・プランニングの理念がよくわかりました.

「自然環境には違いがある.その違いは自然環境がどのようにして成り立ってきたのかを調べればわかる.ただし,いま見えている環境が本来の姿ではない.土地の持っている潜在能力をみなければならない.人は自然環境を利用させてもらうのだから,なるべくその土地に負荷をかけない土地利用をしなければならない.どのような土地利用にすべきかの半分は既にその土地の自然環境が示唆してくれている.それを踏まえて最適解をデザインするのがランドスケープ・アーキテクトだ.土地の潜在能力を無視した空間デザインはどれだけ出来上がった景観が優れたように見えても意味がない.人の勝手なデザインは許されない.Design with Natureとはそういうことだ」というような講義内容でした.

Design with Natureの理念を実際のプロジェクトに反映するのは大変でした.オーバーレイによる潜在能力の把握,土地利用計画のコンセプトの立案,コンセプトを具現化するエスキス,スケッチ,そして最後にプランを描きパネル化します.これを6週間で仕上げて発表します.コンセプト・コンセプトの展開・プレゼンテーションの3段階で評価されます.このあたりは雑誌「土木技術201010月号」に「土木技術者が環境をデザインする価値」といタイトルで寄稿しています.
デザインの結果ではなく,与えられた課題に対して,どのような解決策を立案し,それをどのように具現化し,伝えられるかが試されます.VisionConceptScenarioPresentationVCSPプロセスで展開します.
 VCSPプロセスは,「エコロジカル・ランドスケープというデザイン手法」で解説しています.

 

テーマ : 建築デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

ランドスケープ・ドローイングの師匠 Sir Peter Shepheard

Sir Peter Shepheard 
Sir Peter Shepheard 先生19132002

1980年に Sir の称号を授与されたランドスケープ・アーキテクトであり建築家.

1981年から1983年まで,先生からランドスケープ・デザインとドローイングを習いました.

 

実は,当時デッサンがあまり好きではありませんでした.

日本で美大生だったころ,先生から「硬めの鉛筆の先を常に尖らせて描け」とか「線を重ねて面を作れ」と喧しく言われ続け,それまで好きだった絵を描くという行為が面白くなくなってしまったからでした.

 

Sir Peter先生の鉛筆デッサンは衝撃的でした.

 

先生は,6Bの芯を入れたカランダッシュのホルダーを握ると,いきなり紙にこすりつけました.力の入れ方で1本の鉛筆でグラデーションができました.さらに,ポケットから先を削ったワインのコルクを取り出し画用紙こすりつけると,簡単にぼかしができました.

僅か数分で樹林が浮かび上がりました.

マジックを見ているようでした.

shepheard_drawing.jpg 
Sir Peter先生のドローイング

Soichiro,自分が見たものを好きなように描けばいいんだよ」

「だって,君と私は同じ風景を見ているけれど,見えているものが違うでしょ」

「見えているものが違うから,君と私の描く絵は違うものになるのさ」

「見えているものは描けるが,見えていないものは絶対に描けない」

「君が感じたものを描けば,君の絵を見た人に君が感じたものが伝わる」

「いいかい,ランドスケープ・アーキテクトになるんだったら,人に伝わる絵を描かくことだ」

「絵は君が作りたい情報が詰まった設計図だ.君が描いた絵がそのとおりの風景になる.というより,絵のとおりの風景にならなきゃプロとはいえないね」

 

ランドスケープ・アーキテクトとして絵を描くことの意味がわかったような気がしました.

 

透明水彩を使ったドローイングもこのとき初めて体験しました.

 

Sir Peter先生は,透明水彩の実演をしてくれました.

透明水彩は,ウィンザー&ニュートン ハーフパン8色で小さな筆付き,色はランドスケープでよく使うものに置き換えてありました.画用紙はファブリアーノ粗目125×180だったと思います.水差しは蜂蜜か何かの蓋付きガラス瓶の空き瓶でした.

最低限最小の水彩セットです.

「これなら上着のポケットにすべて入るし,思い立った時いつでもすぐ描けるだろ」と先生はおっしゃいました.

画用紙を上下逆さまにして下半分に水を引いて青を置き,画用紙を少し下に傾けると青が下の方に移動しました.画用紙を回転させ元に戻すと,空のグラデーションができあがっていました.ティッシュペイパーでところどころ青を吸い取ると簡単に雲になりました.

今度は下半分に水を引きサップグリーンを置き.ところどころチャコールグレイをその上に置くと画用紙の上でふたつの色が混じりました.その混じった色を箒で履くように筆で寄せ集めると,うねる大地の牧草になりました.空と牧草が乾くのを待ってから,藍に近い緑で空と牧草の間で筆を上下に走らせ,また,チャコールグレイを重ねると樹林になりました.最後に茶色の点をいくつか落としら牛になりました.典型的なイングランドの田園風景が僅か20分程度で完成しました.

 

寮に帰って先生のまねをしてみましたが,何回描いても塗り絵になってしまいました.

透明水彩は奥が深いと思いました.


テーマ : 建築デザイン
ジャンル : 学問・文化・芸術

tag : 透明水彩

プロフィール/Profile

小川総一郎 / Soichiro Ogawa

Author:小川総一郎 / Soichiro Ogawa
エコロジカル・ランドスケープの世界へようこそ!

水彩画は,毎月第一土曜日に更新します。

小川総一郎の本/Publications by Soichiro
【児童書】ふたつの国の物語-土木のおはなし- 2014.3 理工図書// 何不自由なく暮らしていたシブの国にも悩みがありました。若者の土木離れです。そんな時アトの国からたくさんの若者がやってきて言いました。 「私たちに土木を手伝させてください」と。 これは大助かりです。ところが……。
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